園からのお知らせ
2025.12.02
5歳児 らいおん組 『毛糸のぬくもりを指先に感じて』
秋が深まり、日ごとに肌寒さを感じるようになってきた11月。5歳児クラスでは、冬ならではの遊びとして《指編み》に挑戦しました。
初めての指編みは、子どもたちにとって大きなチャレンジでした。毛糸を指にかけ、それを順番に外していくという一連の動作は、最初は戸惑いの連続。「どうやるの?」「あれ、外れちゃった!」と、慣れない手つきで悪戦苦闘する姿が見られました。

しかし、この時期の子どもたちの集中力と探求心から担任が「こうやって指を曲げて、この毛糸を下からくぐらせてごらん」と、一人ひとりの様子を見ながら丁寧にコツを伝えると、わずかな時間で子どもたちはその仕組みを理解しました。一度「わかった!」という感覚を掴むと、それまでの苦戦が嘘のように、毛糸が次々と編まれていく楽しさに夢中になっていました。
編み物が始まると、いつにも増して静かな子どもたち。編み進める中で、自然と“指をしっかり折り曲げる”“力を入れすぎない”といった、編み物を上手に進めるための”丁寧さ”を身につけていきました。最初は数センチ編むのも大変だったのに、気がつけばどんどん長い紐状になっていく様子に、子どもたちの目は輝きを増します。
また、ただ黙々と編むだけでなく、それぞれの子どもたちの創造性も発揮されました。途中で毛糸の色を変えてオリジナルのボーダー柄にするなど、既成のマフラーにはない“自分だけマフラー”をつくる喜びを感じているようでした。「次は赤と青にしよう!」「ちょっと太い毛糸も混ぜてみようかな」など、互いの工夫を認め合いながら、活動はさらに盛り上がっていきました。

そして、ついに! 一本の長いマフラーが完成した瞬間、子どもたちの表情は最高の達成感に満ち溢れました。編み目を数え、長さを見比べ、「できたよ!」と誇らしげに完成したマフラーを掲げます。その場でさっそく首にぐるりと巻き付け、友達や先生に見せて回る姿は、自信と喜びに満ちていました。なかには、「やったー!これで冬もあたたかいぞ!」と、できあがったマフラーのぬくもりを心から喜ぶ姿も見られました。
この達成感は、次の意欲へとつながり、「ぼくは先生に!」と、大切な誰かを想いながら2本目のマフラーを編み始める子が出てきました。

指編みは、指先の巧緻性を養うだけでなく、“最後までやり遂げる力”“目標を達成する喜び”“誰かを思いやる心“を育む、素晴らしい機会となりました。毛糸のあたたかさとともに、子どもたちの心にもぬくもりと充実感が広がった、実りの多い11月の活動となりました。
冬を間近に控え、子どもたちが自分で編んだマフラーを身につけて、寒さに負けず元気いっぱいに過ごす姿が今から楽しみですね。

